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お茶と健康

お茶と美容 ~美に働きかけるお茶~

●お茶に含まれるアンチエイジング&美容サポート成分

 その昔、「お茶を飲むと色が黒くなる」と言われていたそうです。しかし、お茶に含まれる成分の研究が進むに連れ、お茶は美容や健康をサポートする機能性食品として知られるようになりました。
 お茶には、強い抗酸化作用や抗菌作用を持つカテキンコラーゲンの生成を助けるビタミンCが多く含まれています。肥満、肌荒れ、冷え、むくみ、老化の予防や改善にかかわる生理作用を持つ成分もあります。
 化粧品や健康食品でうたわれる適応例とお茶の成分について知り、日々の生活に賢く利用しましょう。

○酸化ストレスによる老化

関係する緑茶成分 カテキン類、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ミネラル

 年を取ると、体のあちらこちらが思うように機能せず、弱くなり、老化が進みます。加齢は生きている限り留められませんが、老化の進行は、生活習慣などにより早くも遅くもなります。
 体内で活性酸素が増えると、細胞膜を構成する脂質やたんぱく質を攻撃したり、遺伝子と反応したりして、酸化による様々な障害を引き起こします。シミ、そばかす、しわも、アルツハイマー、動脈硬化、がんなどの病気も、活性酸素が関与していると考えられています。
 お茶には抗酸化作用のあるポリフェノール、抗酸化ビタミントリオのビタミンA、C、Eが揃って含まれています。特に、ポリフェノールの一種であるカテキンは、強い抗酸化作用があります。カテキン、ビタミンA、C、Eなどの抗酸化物質が相互作用することで、体内での抗酸化能力もパワーアップされます。鉄、亜鉛、銅、マンガンなどのミネラルは、活性酸素を除去する活性酸素除去酵素の構成成分となります。
 「年を重ねてもはつらつと、美しくありたい」アンチエイジングに、「抗酸化」は重要です。


○日焼けによるシミ、そばかす

関係する緑茶成分 ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、パントテン酸、亜鉛

 メラニンは、紫外線による肌のダメージを防ぐ働きを持っています。しかし、紫外線を大量に浴びてメラニンが過剰に増えたり、睡眠不足などで新陳代謝が悪くなったりすると、メラニン色素が肌に沈着してシミやそばかすを引き起こしてしまいます。
 シミやそばかすを防ぐには、紫外線に当たらず、こまめにUVケアをするのが何よりです。でも万が一の時には、メラニン色素の色を抑える働きをするビタミンC肌の新陳代謝を促すビタミンEが助けになるでしょう。
 また、紫外線は、肌に活性酸素を発生させることもあります。活性酸素は、肌にハリや潤いを与えるコラーゲンやヒアルロン酸を含む細胞にダメージを与えてしまいます。活性酸素の除去にはカテキン抗酸化ビタミンのA、C、Eが頼りになります。


○しわ、ハリや潤いの欠如

関係する緑茶成分 ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、パントテン酸、亜鉛

 いつの間にか増えたお肌のしわに気付いてびっくりしたり、しぼんだ風船のようにヘタッとして張りのない肌を嘆いたりしたことはありませんか。多くの女性が加齢とともに直面するのが、こうしたお肌の変化です。
 お肌のハリや弾力にはコラーゲンが関係しています。コラーゲンは、人の体内にあるたんぱく質の30%を占め、真皮、骨、軟骨、腱などを構成しています。繊維状のたんぱく質がバネのように組み合わさり、これらに強度や弾力性を与えています。
 このコラーゲンが体内で合成されるとき、ビタミンCパントテン酸亜鉛などのミネラルが作用します。ビタミンCを摂らないと、コラーゲンの体内生成に影響が出てしまいます。
 せっかく生成されたコラーゲンも、紫外線等により生じた活性酸素によって破壊されることがあります。抗酸化ビタミンA、C、Eは、コラーゲンにとっても頼りになる存在なのです。


○代謝不良による肌荒れ

関係する緑茶成分 ビタミンA、ビタミンC、パントテン酸、ビタミンB2、B6、ビオチン、カテキン

 お肌は、日焼けや乾燥などにより潤いがなくなり、かさついたり外部からの刺激に敏感になったりすることがあります。そんな時は、化粧水やクリームなどで皮膚を保護し、食事のバランスや生活のリズムを整えることが大切です。
 お茶に含まれる成分では、ビタミンAビタミンB2B6などが、お肌の健康に関わりを持っています。ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、不足すると皮膚や粘膜の異常乾燥、角質化、色素沈着が起こることがあります。ビタミンB2はたんぱく質や脂質など栄養素の代謝に、B6は栄養素の代謝とホルモン調節に関わっており、これらの欠乏で皮膚炎や発疹が起きることがあります。
 カテキンの殺菌作用は、皮膚表面を衛生的に保つのに役立ちます。


○血行不良、冷え、むくみ

関係する緑茶成分 ナイアシン、ビタミンE、ピラジン、カフェイン、カリウム

 心臓から送り出される温かい血液は、体の中を隈なく循環しています。しかし、血行不良だと、末梢血管の循環が滞って手足が冷えたり、静脈やリンパの流れが停滞してむくみを引き起こしたりすることがあります。
 緑茶に含まれるビタミンEナイアシン、ほうじ茶に含まれるピラジンは、毛細血管を拡張して血流を促す作用があります。カフェインカリウムには、体内の余分な水分の排出を促す作用があります。
 血行不良、冷え、むくみは、循環器系などの病気によっても引き起こされるので、そうした場合は医師による治療を受けましょう。日常生活では、バランスのとれた食事、適度な運動、おなかを冷やさないような服装が良いと言われます。


○ストレス、イライラ

関係する緑茶成分 テアニン、パントテン酸、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、
香気成分(600種以上)

 ストレスを感じると、体内では抗ストレスホルモンを分泌しますが、その生成時に、ビタミンCが必要です。たばこを吸ったりお酒を飲んだりすると、それだけで体内のビタミンCが減少し、ストレスへの抵抗力も弱くなりがちです。ストレスを感じた時、喫煙や飲酒習慣がある人は、意識してビタミンCを取る必要があります。
 お茶に含まれるテアニンは、旨味を演出しながら、私たちをリラックスした状態へ導いてくれます。安静時に多くみられるアルファ波は、テアニンを摂取した後に明らかに増えることがわかっています。テアニンを使った実験では、生理の前にイライラしたり頭痛がしたりする月経前症候群の改善にも効果が認められました。
 お茶の香りも、緊張を解きほぐしてくれます。お茶の香気成分は600以上あると言われ、若葉、海苔、花、レモン、オレンジ、かんきつなど、様々な香りが混ざり合ってできています。

気になるアンチエイジングに、お茶が強い味方になってくれるとうれしいわ!

●美容のためのお茶の上手な使い方

 さまざまな美容成分を含むお茶は、他の食品同様、バランスの良い食事、規則正しい生活、適度な運動と組み合わせて摂るのが理想的です。


○お茶の三大成分をおいしく摂りたい
 カテキン、カフェイン、テアニンは優れた機能性を持っていますが、お茶の基本的な味わいを構成する成分でもあります。せっかくなら、三大成分の個性を味わいながら飲んでみませんか。


1. 一煎目はテアニンと甘みのために
 テアニンは、水でもじわじわと溶け出す性質があります。水、または40℃程度(お風呂と同じぐらい)まで冷ましたお湯で、ゆっくり淹れましょう。急須に水またはお湯を入れたら、水の時は10~15分、ぬるめのお湯の時は2分程度待ち、湯のみに注ぎます。(時間は目安です)
 旨味をストレートに感じるお茶を口に含み、ゆっくり味わってみてください。

2. 二煎目はカテキンと甘渋味のために
 カテキンは、テアニンより高い温度で徐々に溶け出す性質があります。一煎目より高い60℃程度(磁器の湯のみにいれても熱くない程度)のお湯を注ぎ、30秒から1分ほど待って注ぎます。
 茶葉に残ったテアニンと、カテキンの渋味が混ざり合った甘渋いお茶がいただけます。

3. 三煎目はカフェインと苦味のために
 カフェインは、お湯の温度が80℃になると一気に溶け出す性質があります。ポットのお湯を湯冷ましせずに急須に入れ時間をおかずに湯のみに注ぎます
 一煎、二煎では抑えられていたカテキンを中心に、茶葉に残っていた成分が熱いお湯に溶けだしてきます。ほろ苦さの加わった熱いお茶で、さっぱりと締めくくりましょう。


○茶葉の成分を丸ごと摂りたい
 お茶に含まれる成分には、水やお湯に溶け出しやすい水溶性のものと、溶け出しにくい脂溶性のものとがあります。抗酸化ビタミンのうちのビタミンAとEは脂溶性で、茶葉の形を作る食物繊維やたんぱく質もほとんど水に溶けません。
 お茶の葉を挽いて作る抹茶なら、脂溶性成分や食物繊維も自然に摂ることができます。
 また、玉露や上級煎茶などの柔らかいお茶の葉や粉末茶を食べるのもおすすめです。粉末茶をヨーグルトトーストに振り掛けたり、茶ガラを佃煮ふりかけにしてごはんとともに食べたり、茶葉をパスタステーキソースのアクセントに加えることもできます。


○お茶を化粧品のように使いたい
 緑茶成分は市販の化粧品や美容グッズにも使われています。見回してみると、クレンジング、洗顔料、化粧水、美容液、スキンクリーム、シャンプー・リンス、入浴剤、あぶら取り紙、消臭剤等々。特に、カテキンの機能に着目した製品をよく見受けます。
 手近なお茶をお肌のお手入れに使ってみてはいかがでしょうか。お茶の浸出液をコットンに含ませてパッティングしたり、お茶を飲んだ後のティーバッグをお肌に乗せてパック代わりにするのなら、とっても手軽です。出がらしのお茶で手や足を洗ったり布に含ませてかぶれやすい部分をやさしく拭いたりする方法もあります。いずれも、やけどをしないように温度を確認し、また肌に合うかテストをしてから活用しましょう。
 また、意外に人気が高いのがお茶の香り。アロマポットや香炉に茶葉を乗せて温めれば、さわやかな香りがお部屋に漂い、リラックスした気分にしてくれます。

お茶を上手に使って、体の中と外からキレイを目指しましょう!