ホーム  お茶と健康  健康な身体に必要不可欠のミネラル

お茶と健康

健康な身体に必要不可欠のミネラル

ミネラルとは? ~地球からいただく、健康や美容に欠かせない栄養素~

 ミネラルは、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミンとともに五大栄養素と言われ、人間の身体になくてはならない栄養素の一つです。炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素に比べると必要量は少ないのですが、体内で作ることができないので、食物などで摂らなければなりません。
 ミネラル(mineral)とは、もともとどのようなものでしょうか。辞書で調べると、無機質、鉱物と訳されます。化学の授業で、H(水素) He(ヘリウム)Li(リチウム)Be(ベリリウム)・・と続く元素周期表を、「水兵リーベ、僕の船・・」などと語呂合わせで覚えた経験のある方もおいででしょう。ここに出てくる元素は、これまでに、地球上に118種類存在するとされ、地球を構成するだけでなく、最先端の科学技術にも使われ、私たちの生活の役に立っています。
 元素のうち、炭水化物、たんぱく質、脂質を構成する水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)以外をミネラル(無機質)と総称し、人間の身体に必要なものを必須ミネラルと呼びます。現在のところ、人体に必要とされるミネラルは16種類あり、厚生労働省で13種類について摂取基準を設けています。ミネラルは、不足しても摂りすぎても体に悪い影響が出るものがあります。

○ミネラルの特徴
・多量(主要)ミネラル
(体内に比較的多く存在し、1日あたりの必要所要量が100mg以上のミネラル)

名称 特徴、摂取指標 多い主な食品(可食部100gあたり)の含有量
ナトリウム(Na) 体液の濃度や血圧に関与する。現代の食生活では、摂りすぎに注意が必要。
必要量(18歳以上)600mg/日(食塩1.5g相当)、
目標量(12歳以上)食塩相当で男性9.0g、女性7.5g未満
食塩39,000mg
固形コンソメ 17,000mg
梅干8,700mg
煎茶浸出液3mg
カリウム
(K)
成人の体内に約120~200gが含まれ、細胞内液の浸透圧を調節する。塩分の摂り過ぎや体内のpHバランスの調整に役立つ。
目標量(18歳以上)男性2,800~3,000mg/日、女性2,700~3,000mg/日
まこんぶ6,100mg
きな粉1,900mg
するめ1,100mg
煎茶浸出液27mg
カルシウム
(Ca)
成人の体内に約1kgのカルシウムが存在する。骨や歯をつくり、出血予防や筋肉の働きにも作用する。不足は骨粗鬆症の原因となる。
推奨量(15歳以上)男性650~800mg/日、女性600~650mg/日
干しえび7,100mg
パルメザンチーズ1,300mg
ひじき1,400mg
煎茶浸出液3mg
マグネシウム
(Mg)
成人の体内に約20g~30gが含まれる。酵素の活性化、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整に役立つ。
推奨量(15歳以上)男性320~370mg/日、女性270~300mg/日
あおのり1,300mg
ひじき620mg
ごま360mg
煎茶浸出液2mg
リン
(P)
成人の体重の1%を占め、カルシウムなどと結びついて骨を硬くする。摂り過ぎるとカルシウムの吸収を阻害する。
目安量(15歳以上)男性1,000~1,200mg/日、女性900~1,000mg/日
スルメ1,100mg
小麦胚芽1,100mg
脱脂粉乳1,000mg
煎茶浸出液2mg

・微量ミネラル
(体内含有量が極めて少なく、1日あたりの必要所要量が100mg以下のミネラル)

名称 特徴、摂取指標 多い主な食品(可食部100gあたり)の含有量

(Fe)
成人の体内に3g~5g程が存在する。不足すると貧血、集中力低下、食欲不振などの症状を起こす。
推奨量(15歳以上)男性7.0~9.5mg/日、女性10.5~11.0mg/日
あおのり74.8mg
ひじき55.0mg
豚レバー13.0mg
煎茶浸出液0.2mg
亜鉛
(Zn)
体内に約2mg存在して多くの酵素に働きかけ、代謝や免疫機能に作用する。摂取不足は、皮膚炎や味覚障害につながる。
推奨量(15歳以上)男性11~13mg/日、女性9mg/日
牡蛎13.2mg
小麦胚芽15.9mg
ナチュラルチーズ7.3mg
煎茶浸出液Tr

(Cu)
成人の生体内に約80mg存在し、エネルギーの生成、鉄の代謝、活性酸素の除去などの働きを持つ。
推奨量(15歳以上)男性0.8~0.9mg/日、女性0.7mg/日
ごま2.52mg
ほしえび5.17mg
牛レバー5.3mg
煎茶浸出液0.01mg
マンガン
(Mn)
成人の体内に12~20mg存在し、酵素の働きに作用する。マンガン欠乏で皮膚炎がひこされる場合がある。
目安量(15歳以上)男性4.0~4.5mg/日、女性3.5mg/日
あおのり13.00mg
小麦3.90mg
ほしえび3.96mg
煎茶浸出液0.31mg
ヨウ素
(I)
成人の体内に15~20mg存在し、たんぱく質の合成やエネルギー代謝に作用する。
推奨量(15歳以上)男性130~140μg/日、女性130~140μg/日
乾燥こんぶ200~300mg
乾燥ひじき20~60mg
セレン
(Se)
セレンを含むたんぱく質として、体内の抗酸化システムの重要な役割を担う。
推奨量(15歳以上)男性30~35μg/日、女性25μg/日
魚介類20~100μg
肉類100~800μg
鶏卵20~950μg
クロム
(Cr)
脂代謝を助け、中性脂肪やコレステロール値を正常に保つ働きがある。
推奨量(18歳以上)男性35~40μg/日、女性25~30μg/日
海藻、魚介類、豆類に多く含まれる
モリブデン
(Mo)
酸化酵素の働き、糖質や脂質の代謝を助ける働きがある。
推奨量(18歳以上)男性25~30μg/日、女性20~25μg/日
豆類、穀類、種実類に多く含まれる

(摂取量の指針は日本人の食事摂取基準(2010年版)、食品中の含有量は五訂増補 日本食品標準成分表による)
*推奨量:ある母集団のほとんど(97~98%)の人において1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量
*目標量:生活習慣病の一次予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量
*目安量:推定平均必要量及び推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、特定の集団の人々がある一定の栄養状態を維持するのに十分な量
*成人でも性別、年代により設定値が異なる場合に、X~Xと表記している


ミネラルが、サプリメントや化粧品の成分にあるのは、それだけ健康や美容にも関わりが深いからなのね!

お茶に含まれるミネラル ~毎日のお茶で、安定したミネラル摂取を~

 身体の健康に欠かせないミネラルは、毎日飲むお茶にも含まれています。
 グラフは、主要なミネラルの含有量を合計した値を示しています。茶葉100gあたり、3,000~4,000mgほどのミネラルが含まれています。お茶にして飲むとしたら、その割合はぐっと減ります。浸出液100gに対してほとんどのお茶は10~40mg程度、玉露だけ特別に多くて400mg近くのミネラルを含んでいます。

茶葉および浸出液100gに含まれる主なミネラルの量


 では、どんなミネラルが含まれているのでしょうか。次のグラフは、お茶に含まれる主要ミネラルを、種類別に表わしたものです。どのお茶も、ミネラルの中ではカリウムを最も多く含んでいます。次いで、カルシウム、ナトリウムなどと続きます。

お茶(浸出液)100gに含まれる多量ミネラルの量


 微量ミネラルでは、マンガン、鉄、亜鉛などが含まれていることが確認されています。
 お茶に含まれるミネラルの含有量は一見わずかですが、毎日の食生活の中で、ごく自然に、かつ、安定的に摂取できるのはうれしいことですね。

ミネラル(無機質)の含有量(可食部100gあたり、mg)


お茶なら、難しく考えなくてもミネラルを安定して摂れそうだわ!

資料

「五訂増補 日本食品標準成分表」 文部科学省
「日本人の食事摂取基準」(2010年版) 厚生労働省