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お茶ってなあに?

●世界各地で愛され、各地の文化に馴染んだお茶

 「お茶」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
 煎茶、番茶、抹茶、ほうじ茶、ウーロン茶、プーアール茶、紅茶、ミルクティー、ハーブティー、麦茶、どくだみ茶・・・。
 そして、お茶とともにテーブルに並ぶお茶請けや料理、それを囲む人々。家族のだんらんの場、仕事の合間の休憩、スポーツの後、遠足のお弁当タイム、友人とのおしゃべり、会議や社交の場・・・。さまざまなシーンで、お茶は私たちの生活に寄り添っています。

 茶はもともと、後に説明するツバキ科の植物「チャ」の葉を加工して作るものを意味していますが、そのほかの植物などからつくられる飲み物も、便宜上「茶」と呼ばれるものがあります。また、日本では、家族で食事をしたり、くつろいだりする場所や場面を「茶の間」、休憩したり、カフェに立ち寄ったりすることを「お茶する」などとも言いますね。
 現在のバリエーション豊富なお茶の種類、各国のお茶文化、お茶に係わる言葉などから、各地の文化、時代の風に合わせて発展してきたお茶の世界をうかがうことができます。

※植物の茶(茶樹)と飲食用の茶を区別しやすくするため、茶樹のことを「チャ」と表記しています

●「チャ」から作られる三種のお茶

チャの木に咲く白い花

 そもそも「茶」のもととなる「チャ」とはどのような植物でしょうか。
 世界最古のお茶の専門書に「茶は南方の嘉木」との一節があります。中国が原産と言われ、比較的温暖な地域で育てられています。
 チャは、ツバキ科ツバキ属の常緑樹で、1887年に現在の学名Camellia sinensis(カメリア シネンシス)がつけられました。ツバキやサザンカの仲間で、艶やかな葉、柔らかい花びらと黄色い雄しべ、硬くぷっくり膨らんだ実など、似ているところが多くあります。

 このチャの木の葉を摘み、揉んだり、発酵させたり、乾かしたりしできるのが「茶」。工程の違いによって、大きく「緑茶」、「ウーロン茶」、「紅茶」と、見た目や味わいの違う3種類のお茶に作り分けられます。
 緑茶、ウーロン茶、紅茶の大きな違いは、摘んだ葉を発酵(酸化)させるかどうか。チャの葉は、摘んだ後に時間が経つとしおれて色が変わったり、花のような香りが漂ったりします。このような状態を発酵といい、十分に発酵させたものが紅茶に、発酵させないで加工したものが緑茶に、その間の状態の茶葉から作られるのがウーロン茶になります。

※陸羽著『茶経』 陸羽は中国・唐時代の文人。