ホーム  茶葉の扱い方  お茶はどんなふうに選んだらいいの?

茶葉の扱い方

いろいろあるお茶、どんな選び方をすればいいの?

 おいしいお茶は、充実したティー・タイムの基本アイテムです。でも、お店に並ぶお茶は、包装のデザイン、大きさ、値段などもさまざま。茶葉の見本を見ても、何がどう違うのか、どれが自分好みのお茶か分からないことも多いですね。
 お茶を選ぶときの手がかりをいくつかご紹介します。お茶の専門店、あるいはスーパーマーケットなどセルフサービスの店で、自分好みの一品を探すときの参考にしてください。

●「良いお茶」の見分け方

 品質、味や香りの好み、扱いやすさなど、いろいろな見方であなたにとっての「良いお茶」を選んでみましょう。

○お茶の品質をみる
 お茶屋さんが茶葉の特徴を見るときに行うのが「鑑定」。茶葉の形や色つやを見る、手に取る、熱湯を注いで香りを嗅ぐ、水色を見る、味わう等、五感を使って研ぎ澄ませて見極めます。
 プロが行う鑑定を参考に、下のようなポイントから茶葉の品質をみてみましょう。

玉露 茶葉は深い緑色でつやがあり、針先のように細くとがっている。湯を注すと海苔のような香りがして、旨味を多く感じる。
煎茶 茶葉は濃い緑色でつやがあり、細く硬くよれ、重量感がある。水色は金色透明で、旨味と渋味のバランスが取れている。
深蒸し煎茶 茶葉はやや細かく黄色がかった緑色。湯を淹れると鮮やかな緑色になり、甘味のある濃厚な味わい。
ほうじ茶、番茶 煎茶に比べると葉は大ぶりで軽いが、しっかり乾燥している。

 日本茶の多くは、水分を3~5%程度に乾燥させています。保存の仕方が良くないと、湿気を吸う、他の物のにおいが移る、あるいは色があせることがあります。こうしたお茶は、本来のおいしさを失いつつあるので避けた方が良いでしょう。

○お茶の相性をみる
 お茶を選ぶ時は、品質とともに好みや相性も大切なポイントになります。

味や香りの好みに合うか 自分の好みはもちろん、一緒にお茶を飲む方の好みも思い浮かべてみましょう。渋味がきいてさっぱりした後味が好き、とろっと旨味の多いお茶が好き、など。お子さんには、香ばしい玄米茶も人気があります。
お茶を飲むシーンに合うか 特別なお客さんがある日にはワンランク上の煎茶、気心の知れた親友と飲むときは煎がきく(何回も淹れられる)煎茶、肌寒い日にはアツアツのほうじ茶を、といった具合に。
お茶請けに合うか 自分へのごほうびに買ったスイーツに合わせて、普段とは違うお茶を選ぶ、など。
手持ちの茶器に合うか 茶葉と茶器の相性があります。深蒸し茶、芽茶、粉茶など、形状が細かめの茶葉は、茶漉しの穴や網目が荒い(大きい)急須では淹れにくいことがあります。薄い磁器の湯のみでは、熱く淹れるお茶は飲みにくいでしょう。

五感を磨いて、自分好みのおいしいお茶をみつけましょ!

●パッケージの表示からお茶の個性を読む

 スーパーなどセルフサービスのお店では、茶葉を比べられず、相談できる店員もいない場合が少なくありません。そんなときは、商品に表示されている内容をきちんと読み取ることが、良いお茶選びの一歩です。
 他の食品と同じように、お茶にも商品表示のルールがあります。これは、JAS法、食品衛生法、他の法律に基づき、茶業団体によってわかりやすく統一を図ったものです。
 ここでは、お茶の種類、茶葉の産地などの基本的な情報をまとめて表示する一括表示と、品種、具体的な産地、有機栽培などの付加情報を表す任意表示について紹介します。

○商品の基本情報がわかる「一括表示」
 お茶の袋の裏面などに、数センチの大きさの表を見たことはありませんか。これは、JAS法に基づく「加工食品品質表示基準」により表示が義務付けられているものです。(ただし、店頭量り売り等の場合は表示しなくて良いことになっています)
 お茶の基本的な特徴は、この一括表示で確認しましょう。

項目 表示例 説明
名称 煎茶 お茶の一般的な種類がわかります。
煎茶、深蒸し煎茶、玉露、番茶、粉茶、ほうじ茶、抹茶炒り玄米茶など。
原材料名 緑茶の場合は「茶」または「緑茶」と表示されます。
原料原産地名 日本 茶葉の産地を表示します。
国内の茶葉だけの場合は「日本、国産」、あるいは産地名称の都道府県の場合は「○○県産」などと表示。
輸入の茶葉を使っている場合は、その国名が表示されます。
内容量 100g グラムかキログラム単位で表示されます。
ティーバッグなど小分けの場合は、「5g×10袋入り」と表示されます。
賞味期限 平成24年5月 24.5、2012.5、1205などと表示されることもあります。
保存方法 高温多湿を避け、移り香にご注意ください 開封前の保存方法です。
製造者 ★★製茶株式会社
○○県○○市○○町○番地
表示に関する責任者です。製造者に代えて販売者、加工者、輸入者の場合もあります。

●任意表示、その他の表示事項

一括表示のほかに、商品の特徴をあらわす事柄を表わす場合があります。

○名称以外の茶種:新茶、一番茶、秋番茶、冷茶 など

  • 新茶は、その年に初めて生産されたお茶
  • 冷茶、水出し茶は、茶を水で浸出して飲むように作られたもの
  • ○番茶は、生産地域ごとの生産時期の慣例に従って使われる

○品種銘柄:やぶきた、べにふうき など

  • 表示できるのは、種苗法に基いて品種登録されたり、公的機関で奨励品種として認められたりした品種
  • 単一品種だけの場合は「やぶきた」「やぶきた100%」と表示
  • 複数品種の場合は「やぶきた、おくみどり」など、使用重量の多い順に表示
  • 「○○ブレンド」は、○○品種を強調したい時に使われる表現

○産地銘柄

  • 静岡茶」「宇治茶」「牧之原茶」 など:当該産地の原料を100%使用している場合
  • 静岡茶ブレンド(静岡茶50%以上)」:静岡県産茶葉と他の産地の原料とを使用した場合

○企業銘柄

  • 名称や産地銘柄と類似しない企業独自のブランド名など

○包装形態:ティーバッグ、スティック 等(中身の包装形態)

○取扱上の注意

  • 開封後の取り扱い方法や、お茶のいれ方、飲用上の注意など

○その他

  • 有機農産物を原材料にしたお茶は、「有機農産物加工食品の日本農林規格表示」の定めに従って表示

資料

「緑茶の表示基準」 平成21年9月, 社団法人日本茶業中央会

なんとなく見過ごしがちな表示にも、それぞれ意味があるのね!

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