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体を目覚めさせるカフェイン

●カフェインとは? ~コーヒー、お茶、チョコレートの苦味演出成分~

 カフェインは、コーヒー豆、カカオ豆、茶葉などの食品植物に含まれる成分で、独特の苦みを持っています。水溶性で、お湯の温度が高いほど溶け出しやすくなる性質があります。同じ茶葉でも、熱いお湯で淹れるとカフェインがよく抽出され、苦味をより強く感じます。
 コーヒー豆や茶葉から抽出したカフェインの成分は、食品添加物としてコーラなどの清涼飲料水、菓子の苦み付けに使われています。栄養ドリンクや薬品には医薬成分として使われています。
 飲み物に含まれるカフェインの量を比べると、グラフのようになります。カフェインの含有量は飲み物全体ではコーヒー、お茶の中では紅茶で高めの値となっています。
 緑茶の中では、玉露や上級煎茶に多く、番茶やほうじ茶が少なめです。チャの木の中で、カフェインは茎よりも新芽に多く含まれるので、新芽や芽先を多く使う玉露、上級煎茶や芽茶で含有用が高くなるのです。玉露は、100g当たりのカフェイン含有量が非常に多いですね。しかし、玉露用の小さな湯のみは一杯10~20cc程度なので、実際の摂取量はグラフよりは少なめになります。

浸出液100gに含まれるカフェインの量


茶葉に含まれるカフェインの量は次のグラフを参考にしてください。
抹茶を点てていただくときは、1杯で約2gです。

茶葉100gに含まれるカフェインの量


コーヒーやお茶、チョコレートやコーラの味わいは、カフェインがアクセントになっているのね。

●カフェインの主な働き ~コーヒーやお茶の苦味は元気のスイッチ~

 カフェインは、中枢神経に作用して興奮を促すので、眠気やだるさを取り除くだけでなく、知的作業能力や運動機能を高めたりもします。また、利尿、代謝促進、胃液の分泌促進などの作用もあります。食後の一杯で消化促進に、仕事の合間の一杯で作業効率アップというのも、理にかなっているのですね。
 しかし、カフェインの影響を受けやすい人が、カフェイン摂取によってめまいや神経過敏、吐き気や下痢を起こすケースが報告されています。「カフェインに弱い」人に関心の高い国では、1日当たりの摂取目安を、健康な成人で400mg、妊婦で300mgなどと設定しているところもあります。日本では、過去のお茶やコーヒーの摂取状況から、カフェイン摂取量の目安や制限は設けられていません。
 お茶のカフェインは、茶葉に含まれるタンニンによって、コーヒーよりも作用が穏やかになると言われています。番茶やほうじ茶は、もともと含まれるカフェインの量が少ないので、赤ちゃんやお年寄りに好まれています。「デカフェ」と呼ばれる、カフェインを除く処理をしたコーヒーやお茶も商品化されています。
 お茶やコーヒーは薬ではありませんので、体質や体調に合わせ、食事やお茶請けと一緒に楽しむようにしましょう。

赤ちゃんにはほうじ茶、勉強や仕事の時には上級煎茶と、お茶を使い分けると良いね!

資料

「五訂増補 日本食品標準成分表」 文部科学省
「ファクトシート カフェイン」(平成23年3月31日作成) 厚生労働省食品安全委員会