お茶の上手な保存方法
●おいしさが詰まっているお茶は、意外にデリケート
封をあけたお茶がいつの間にか風味が変わり、おいしくなくなった、香りが変わった・・という経験はありませんか? 乾燥しているお茶の葉は、水分が多い「ナマモノ」のように腐ってしまうわけではありませんが、時間とともに、お茶の状態は徐々に変化します。
チャの木の葉は、製茶の技術によって、乾燥しながら形作られ、うまみや香りの成分がギュッと詰まった茶葉になります。一般に緑茶は、市販されている「仕上げ茶」の状態で、水分が3%程度に抑えられています。
このおいしさを保つには、この仕上げ茶の状態を上手に保つことが何より大事。市販のお茶には、光や湿気を通さない包装材を使ったり、袋の中の空気を抜いたりしているものがあるのも、お茶の持ち味をいかしたままお客様へ届けるための、お茶屋さんの工夫です。
茶葉は、湿度、温度、空気、光の4つの要素に影響を受けやすい性質があります。もし、直射日光が当たり、高温多湿の場所に封を開けたまま置かれていたら、その茶葉は湿気たり、酸化したり、ほかの物のにおいが移ったり、色が変わったりして、せっかくのおいしさを失ってしまいます。
●お茶のおいしさを保つポイントは「カン・タン」
では、家庭で、職場で、封を開けたお茶を最後までおいしく楽しむには、どうしたら良いでしょうか。湿度、温度、空気、光の4つの要素からお茶を守るのに、家ではどんな工夫ができるでしょう。
茶葉を保存する基本ルールは、乾燥した場所で、空気や光を遮ること。いちばんシンプルでおススメなのは「お茶缶(カン)に入れて、短(タン)期間で使い切る」です。
そのほかにも、基本ルールに沿った保存のコツがあります。家庭や職場で、簡単に、おいしさを保つことができるポイントを見てみましょう。
●普段飲むお茶の保存は?
- 封を開けたお茶、日常的に使うお茶は、茶缶などの密封性の高い容器に入れましょう。
- 茶缶は、蓋がきちんと閉まり、中蓋があるもの、また、中に入れるお茶の量に対してあまり大きすぎない方が、茶葉の品質を保ちやすいです。
- 茶缶に茶葉を移すときは、茶缶の中に、前のお茶の葉や香りが残っていないかを確認してから入れましょう。煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶、フレーバーティー、健康茶など、特性の異なる複数のお茶を楽しむ方は、茶缶も複数用意して使い分けると、におい移りも防げ、見た目にも楽しいですね。
- お茶、茶缶は、調理器具や冷暖房器具から離し、茶箪笥などの暗く、温度変化が少ない場所に置きましょう。においの強い食品や日用品からも離しておきます。
●お茶を美味しく飲める期間は?
- お茶のパッケージには賞味期限が表示されています
封を開けていないお茶は、この期限内にいただきましょう。 - 封を開けたお茶は
湿気を吸ったり、におい移りしたりと変質しやすいので、賞味期限にかかわらず早めに使い切るようにします。 - お茶を購入する時は
購入量や包装の大きさを、2週間から1カ月程度で飲みきる量を目安にすると、新鮮なうちに使いきりやすく、保存も楽です。
●大量のお茶や長期間の保存は?
- いただきものなどでお茶がいくつもあるときは
一度に封を開けず、ひとつずつ味わっていくと品質を保ちやすいです。 - 大きい包装のお茶で、封を開けてもすぐに飲みきれないときは
いくつかに小分けし、密封保存します。 - すぐに封を開けないお茶は
そのパッケージのまま入れられる大きめの密閉容器(缶、プラスチック容疑、茶箱など)に入れ、冷暗所に置きましょう。冷蔵庫・冷凍庫に保存することもできますが、家庭の冷蔵庫は温度変化が意外に大きかったり、におい移りがしやすかったりする点に注意が要ります。冷蔵庫・冷凍庫から出したら、室温に戻してから封を開けるようにします。
湿度、温度、空気、光に気をつけて、お気に入りのお茶を最後までおいしくいただきましょ!